地方を旅する編集者・藤本智士さんの新著『日々是編集』の出版を記念して、トークイベントを開催しました。

 対談ゲストには、港の編集室として活動する、中尾圭さんをお招きしました。
 きっかけとなった本はこちら。

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 イベントが終わると遅い時間になってしまうので、少し早めに開場し、イベント前に参加者の方とゲストがゆっくりお話しできるようにしました。
 すでに本を読んでくださった方が感想を伝えてくれたり、直接購入してサインを入れてもらったり。ゆったりめに時間をとったつもりでしたが、お話しているうちすぐにイベント開始の時間となりました。
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 たくさんの方が参加してくださり、こりおり舎の店内はいっぱい。愛媛県内はもちろん、瀬戸内のほかの島々や中尾さんが福山市在住というご縁で広島県からのご参加も。さまざまな立場、さまざまなお仕事の方が参加されました。

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 今回、藤本さんが愛媛にいらっしゃることが決まり、せっかくなら何かイベントを、ということで先に西予市でのイベント開催が決定。東予でもどこか、というお話をいただき、今治での開催を企画しました。

 今治市内の方が参加しやすい人が多く場所もゆとりがあるかとは思いつつ、島の方にもシェアしたいと思い、こりおり舎開催に決定。島の方にもお声がけしたところ、多くの方が参加してくださいました。

 これまで、こりおり舎で開催したイベントはなかなか島の人の参加が増やせずにいたのですが、今回はぜひお話を聞いていただきたいなぁと思った方々が参加してくださり、とても嬉しく思います。

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 わたしひとりで藤本さんのお話を聞くよりも、一緒に聞いたりお話ししてくださる方がいた方が話が広がりそうだなと思い、中尾圭さんにお声がけしました。

 大事にしているものや目指しているものが近く、わたしにとって目指すべき憧れの存在でもある中尾さん。中尾さんに一緒にお話ししていただくことで、わたしひとりよりもより深く、広く藤本さんのお話を聞けたのではないかと思います。

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 イベント直前が初対面だったおふたり。

 どんな話になっても楽しく、どんな切り口でもお話しできるおふたりだからこそ、打ち合わせはほんのちょっとでしたが、初対面とは思えない雰囲気で、いろいろなお話をしていただくことができました。

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 藤本さんからは、編集に携わるきっかけとなった20代の頃のことからお話いただきました。参加者の中には、当時大阪にいて藤本さんが作っていたフリーペーパーをリアルタイムで読んでいたという人も!

 紙媒体以外の暮らしの中に編集の意味を見出して行ったことから、新しく作った本に込めた思いまで。

 何部刷る?どうやって売る?ということから、書店とのやりとり、著者の取り分などお金のことまで、赤裸々にお話ししていただき、わたしも書店側として著者や出版社の方のこだわりや思いをどう受け止めているか、どう伝えているかなどお話ししました。

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 中尾さんもご自身が仲間と作った本や編集に携わっている雑誌のことなどをお聞きしました。

 印象的だったのは、一緒に本作りや仕事をする仲間とどう出会って行ったのかというお話。参考にしたいポイントがたくさんありました。


 あっという間にイベントは終了。

 もっとこんなことを聞けば良かった、お伝えしたら良かった、と反省はつきませんが、なんとか無事終えることができました。

進行をしながらだったのでわたしはあまり客観的に見られていなかったのですが、後から写真を見返すと、皆さんが真剣に聞いてくださっている様子がわかってよかったです。

 イベント後も、翌日も、参加した方から、「参加して良かった」というお声をたくさんいただきました。ご自分の活動にも活かせそう、とおっしゃってくださった方も多く、本当に嬉しく思います。

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 藤本さんとの関わりはオンラインスクール「りスクール」に入ってから。今回のイベントも県内のりスクールメンバーがたくさんサポートしてくださいました。

 りスクールに入った時、身近に価値観を共有できる人があまりおらず(とわたしは思っていて)、藤本さんに共感する人の集まりであれば価値観を共有できるのでは、と考えていました。実際、りスクールは価値観が近く分かり合える人がたくさんいて、わたしの拠り所のような場所になっています。

ここ数年、価値観を共有できる人がどこかにいればそれでいい、と思いつつ、この小さな島でそれができない寂しさも感じていました。

 中尾さんに出会ったことで、アンテナを伸ばし、島から飛び出せば比較的近くで同じ価値観を共有できる人がいるのだ、という可能性を感じるようになりました。

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 そんなこんなで、今回この大島で藤本さんと中尾さんのお話を、大島の方に聞いていただき共鳴いただけたことは、わたしにとって泣きそうなほどうれしいことです。

 ちゃんと届ければ、受け取ってくれる人はいた。そんな気づきのある場でした。


 もちろん、島外からわざわざ足を運んでくださった方がいらしたことも、島でのイベントの可能性を広げてくれました。

届け方、伝え方でも変わるのだというのも学びでした。(今回直接お声がけして興味を持ってくださった人も多く、これまでの声かけ不足を反省。。)

 橋を渡ってきた価値をなにか感じてくださっていれば良いなと思います。

 イベントをきっかけにこりおり舎を知ってくださったり初めてお越しくださった方がいらしたのもありがたい限りです。

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 参加者同士でも連絡先を交換したり、情報のやり取りをしたりされていて、少人数でこの場でできた意味があったのかなと思っています。

 ここから新たなつながりや、新たな編集のきっかけが生まれていったら何よりです。

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 改めて、ご参加いただいたみなさま、トークをしてくださった藤本さん、中尾さん、サポートしてくれたりスクールのみなさん、本当にありがとうございました!

 またぜひこりおり舎で、それぞれの場で、お会いしましょう!

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すてきな写真は…りスクールメンバーでもある吉田さんに撮影いただきました!