先日、とあるトークイベントの運営に携わりました。
その名も、”四国の可能性を考える!「地域編集会議」”
編集者の藤本智士さんが松山にやってくる!ということで、藤本さんが主宰する地域編集のオンラインスクール”りスクール”の愛媛在住メンバーでイベントの企画を行いました。
りスクールメンバーでカメラマンの吉田真也さんがたくさん撮影してくださった写真をお借りしてレポートします!わたしがオンラインスクールを知ったきっかけでもある、せいかつ編集室(https://shs2.com)の大木春菜さんを中心に、どんなイベントが楽しいかな?と模索しながら企画。
この、“イベントの企画をする”、ということがまさに編集だなぁと改めて感じました。
どんな人にきてほしい?というところから、遠方の方でも仕事終わりに参加しやすい時間や会場を設定したり、どんな話を聞いてほしい?したい?というところからゲストやテーマを考えたり、参加者の皆さんに楽しんでもらえるように構成を考えたり。
それを限られた時間や予算の中で組み合わせていくのは、ザ・編集。
これまで一緒にお仕事やイベントの企画をしたときとはまた違う考え方や見せ方で組み立てられていく企画を間近で見られ、企画段階からとても楽しい時間でした。
また、誰かが出した案に、それならこの人を紹介できるよ、あの人なら声かけられるよ、それならこんな時間配分にしたら、じゃあ撮影は…とみんなができることを持ち寄って作られていくさまもとってもいいなぁと思いました。
(わたしはちょっと頼りすぎてしまったなぁと反省。。)
地域に関わる人、編集や出版に携わる人、いろんな人に来てほしい!と思い、運営に関わったメンバーがそれぞれ多くの方へお声がけしました。年度初めの慌ただしい時期にも関わらず、多くの方が参加してくださいました。私のお友達や知り合いの方々もたくさん来てくださってうれしい。
藤本さんが来るなら!と申し込んでくれた方はもちろん、”編集”というキーワードに引っかかった方、藤本さんのことはよく知らないけれど、彼女の企画なら、彼女に声をかけてもらったから、と参加してくださった方まで、参加者のみなさんを動かした動機も様々。
何を得たいと思って参加してくれているのだろう。
どんなものを持ち帰ってもらえるだろう。
どんなふうに楽しんでくれるだろう。
藤本さんがいてこのメンバーでこの企画なら、絶対楽しいものになる!と思っていても、参加者の顔が見えてくると始まるまでずっとどきどきしていました。
まずは、藤本さんが「地域編集」についてトーク。
これまで携わってこられた事例をたくさん紹介してくださいました。
印象に残ってメモしたことから少しご紹介。
広義の意味での「編集」を考えると、編集とはそもそもなんなのか?
編集者が何を「おもしろい」というか?が、メディアのネタになる。メディアで取り上げられているおもしろいことを取材するのは編集者の仕事ではない。
”ふつう”とは…
「ぼくの“ふつう”とあなたの“ふつう”は違う」
「ぼくの“ふつう”も今日と明日で違う」
編集者の仕事とは…
ヨソモノは外と比較ができるので、ヨソモノのテンションで地域を見ること。
ヨソモノ視点でヨソモノと地元の人の違う「ふつう」をつなぐこと。
地元の人が自分でつけているタガを外すこと。
言語化と可視化をすること。
藤本さんの著書『魔法をかける編集』を移住して地域おこし協力隊として活動しているころに読んで、協力隊の活動はまさに”編集”だなぁと思ったこと、こりおり舎で『魔法をかける編集』を買って読んでくれた島の農家さんが、「僕らがやっていることも編集なんですねぇ」と言ってくれたことを思い出しながら聞いていました。
後半は、四国の編集者さんたちを交えてクロストークに。
藤本さん、ファシリの春菜さんに加え、3名のゲストが登壇しました。
大木春菜さん(せいかつ編集室/松山)https://shs2.com
加藤千晴さん(だいちのめ/西予)http://seiyo-geo.jp/daichinome/
上総毬椰さん(chuu!/高知)https://www.instagram.com/chuu_kochi/
和氣敬憲さん(マチボン/松山)https://machibon.net
伝えたいことや本質的な問いは、降ってくるものではなく、暮らしの中にあり、それはインタビューから浮かび上がってくる。
→つい問いを持って向き合ってしまったり、わかりやすい問いを求めてしまうけれど、そうすると見えにくくなるものがあると思います。
ソトとウチが交差するところにおもしろいものが生まれる。
→ウチのおもしろいものを探しがちだけれど、交わるところをもっと見るようにしていきたい。
ソト向けに作る媒体が、地元の人の変化、プライドの醸成につながることもある。
→これは協力隊の時に島の人にインタビューしてまとめた冊子を作ったときにたしかに感じました。
お土産になる、文化になっている地元本があるといい。(沖縄にはある)
→こういう本を作りたいし、届ける店でもありたい。
カルチャーを作っていくということは、短いスパンではできないので、長く続くことが必要。
→ついつい目先の成果を求めがちな地方の自治体の人にも聞いてほしい話でした。
“暮らすこと”は“雑談のストック”をすること。それは取材のモチベーションでは得られない。
→はっとした。日々雑談ストックができているだろうか、と反省。
歩くことで発見するものがある。人の気配を感じられる。
→移動のスピードを意図的に落とすことは、目に入るものを増やしたり、解像度を上げる効果があると思います。
いま、誰でもおしゃれなものを作れるようになって、世間に“いい感じのもの”が溢れてしまっているけれど、もっと属人的なものでもいいのではないか。
たとえば…
久留米市の地域福祉マガジン「グッチョ」は、市の職員さんがおひとりで作っているとても属人的で、魅力的な媒体。
属人性を減らし、誰にでもできるようになることで、薄まってしまうものがある。だから、ほかのひとに引き継いでまで続けることが正ではない。次の人がやるなら、その人が新しく始めたらいい。捨てることも必要。時には、形を変えることも必要。
「これでいいのか」を常に問い続けることが大切。
藤本さんがグッチョをつくっている秋山さんと一緒に登場するトークイベントもまもなく
あるそうですよ。
5月10日久留米のミノウブックスさんでトーク決まりました。僕がいま最も注目しているローカルメディア「グッチョ」の秋山さんと、熊本の編集者、福永あずささんとのトーク。ぜひいらしてください。地域から発信していくということ。その魅力と葛藤と希望についてガチトークします。間違いなく良い夜。 https://t.co/c4ZleQ1dsX
— 藤本智士 (@Re_Satoshi_F) April 27, 2024
薄めることで伝搬力は強くなるので、薄めなければ届かない部分もある。
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どの話もうんうん頷きながら聞いていましたが、ここはとくにほんとそう!と思いました。
なにかここで答えをもらおう、教えてもらおう、と思って参加した人は、得られるものは少なかったかもしれませんが、日々もやもやするものを抱えながら考えて向き合っていて、なにかヒントが欲しいと思っていた人にとっては、新たなもやもやや、考えるヒント、新しい視点を得られる場になったのではないかと思います。
複数人から「内容が薄かった」と聞いていた研修に参加した人がこのイベントにも参加してくれていたので、イベントの感想と合わせてその研修の感想を聞いたのですが、「とても楽しかった!いい場だった」と言っていて、何を学び取るか、得るかは、本人のモチベーションや姿勢によるところが大きいということも改めて感じました。
今回のイベント、わたし自身は、自分や自分の暮らす地域を顧みて、はっとする瞬間の連続でした。そして、編集者として活躍しているみなさんも日々悩みながら、模索しながら編集し、媒体や地域と向き合っていることにとても勇気をもらいました。
こりおり舎に対しては常に編集をしていく日々。
こりおり舎を通して、大島やしまなみの編集もしているようでもあり、もっとしていきたいと思うところでもあります。
今年は、これらの広義の編集に加え、なにかしらの媒体づくり、メディアの編集もしていきたいと思っています。
イベントの後はサイン会状態に。
現場で本を購入できなかった方、こりおり舎にもサイン入りの『魔法をかける編集』が入荷していますのでぜひ。かわいいリスのイラスト入りサインです。
藤本智士さんが寄稿している、こちらもぜひご覧ください。
夜間本屋を貸切でご覧いただける一組限定の宿です。










