Twitterで個人書店さんと多く繋がっていると時折目にするのが、
「『おすすめしていた本をAmaz●nでポチりました!』は言わなくていい」というもの。

 こりおり舎のアカウントにも、時々
「面白そうですね!見てみます(近くの店で)」とか、
「この間紹介していた本を買いました!(Amaz●nで)」とか、
そういったコメントがつくことが時折あり、じわ〜〜っとダメージを感じることがあります。

 著者の方だと
「図書館で読んで面白かったです!」「ブック●フで買いました!」
みたいなことが同じような感覚でしょうか。

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 望んでいること(書店であれば自分の店で買ってもらう、著者であれば新刊で買ってもらう)ではないけれど、どこで買うか、何で読むかは自由なので、うちで買わなかったことについてはとやかく言わないから、せめてそれをこちらに伝えてこないでくれ!という願いです。

 もちろん、おすすめした本がおすすめであることは間違いないので、おすすめが響いたのなら光栄だし、その本(や著者や出版社)に共感してもらえたらうれしいし、本(や著者や出版社)の応援になっているのであればいい、と思います。

 そして、買って欲しいという理由だけではなく別な思いや意図で本をおすすめしているアカウントやサイトはたくさんありますし、書店のアカウントで紹介している人の中にも、自店での購入だけを求めている人ばかりではないと思います。 

 それでも、書店がオンラインショップのリンクを貼って本を紹介するとき、いいと思ったらそこから購入して欲しい、という思いがあるのも事実です。
 「よそで買った」はわざわざ伝える必要はないし、多くの場合、良かれと思って伝えるのは逆効果だよ、ということは言っておきたいと思います。 
 何がなんでもうちで買え、と言いたいわけじゃなく、ほかで買った報告はしないでほしい、ということです。 
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 わざわざ島の書店へご注文くださったり、訪れてくださったりするお客さまには感謝しかありません。
 いいなと思ってくださっても、こりおりを含め多くの個人店の場合、送料も届くまでの時間もかかるので、毎回の選択にするのは難しい場合もあると思います。
 「送料がかからないのでAmaz●nで買う」「急いでいるので近くのコンビニで買う」
 それも選択のひとつです。
 いろいろな選択があることで、本に触れる機会が広がるのならば、実店舗書店にこだわるよりもずっといいと思います。

 ただ、買えと言っているわけではないというのと矛盾するようですが、いつも自分に響く本を紹介してくれる書店があるのなら、本の紹介を楽しんで、参考にしているのなら、ときどきはご自分の応援している、気に入っている、書店で本を買ってみてはいただけませんか。オンラインショップだけでなく、足を運べる距離のお気に入りの店で買うのもいいと思います。
 どんなに本の紹介に感謝し紹介した本を読む人が増えても、購入してもらえなければ、その店は続いていきません。
 最近、書店の閉店のニュースが続いています。わたしを含め、「好きだったのに」「なくなって寂しい」、という人のどれだけがその店で本を買っていたのだろう、と自戒を込めて思います。
 なくなってからでは遅いのです。閉店のお知らせが出る前に、1冊でも本を買ってほしい。

 そんな思いがあるので、わたしも、ほかの書店で気になる本を見つけたり知ったりした時には、自分の店に仕入れられる本でもできる時は購入するようにしています。
 けれど、ふと日頃の自分を顧みたときに、本以外の業界では、同じような、上部だけ搾取するようなことをしているのではないか、と気づきました。
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 家電量販店で使い勝手を確認してネットで最安値で買う、靴屋で試し履きしてオンラインショップでサイズ違いを取り寄せる、そんなことをあまり疑問も持たずにしてはいなかったか。
 個人店ではないお店に対し、自分の支払うお金が対応してくれる店員さんのお給料になる、というイメージがしにくいというのも人やお店に対する意識が希薄になっていた要因かもしれません。正規店のオンラインショップから購入していれば、会社に入るお金は変わらず、店員さんの給料に影響はないのかもしれない。 けれど、ノルマや成果報酬があるのかもしれない。 

 金銭的な影響がなかったとしても、聞かれたことを丁寧に説明しアドバイスもして、気に入らなかったわけではなくそのアドバイスを受け入れたのに、購入はその店(店員)からしてもらえない、というときの徒労感を、わたしは知っているはずなのに。
 これを続けていては、実店舗はどんどんなくなって、すべてがオンラインになってしまう。 
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 実店舗で店員さんに対応してもらうからこそ得られるものがあるのなら、サービスにお金を払う仕組みや文化のない環境では、せめて、商品を正当な対価を払って買うことはためらわずにしていこう。
 こちらの使用環境や予算に合わせて機種をお勧めしてくれたおじさんからエアコンを買う。 フィットするサイズ感を自分の着用経験から説明してくれたおねえさんからジャケットを買う。
 そういうときに得られるものは、ネットで最安値を探して浮いた差額よりも、実はずっと大きいのではないか、と考えています。

 お金は有限だし、おすすめが必ずしもぴたりとくるとは限らないので、別の選択肢や安い方を選ぶ、ということもあってもいい。
 ただ、おすすめが響いたら、そのときは、すすめてくれた人から買う、ということを大事にしていきたいと思います。 





  
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