以前同行させていただいた取材でインタビュアーの方が、「自分はBでなくてAを選ぶと言いたい時に、Bはダメだ、と言う必要はない。AもBも選ぶ人それぞれにとって正解で、ただ自分はAを選ぶ、というだけ」という趣旨のことを言っていて、なんていいことを言うんだろうと思ったのだけど、最近、しみじみその通りだなと感じている。
 「BよりもAがいい」と自分が思ったときに、「Bがいいな」と思う人を否定する必要はない。「Aが正しい、だからAを選ばないんなんて愚かだ、Bを選ぶなんて信じられない」なんてことは言わずに、「わたしはAだな」って言っておけばいいのであって、「BがダメだからA」という構図ではないかたちでAを選べるのがいいし、BがだめだろうがCもよさげだろうが選びたいAを選べるのがいい。
 そう感じるのは、対立構造になって双方否定し合う様を目にすることが多いからかもしれない。
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 たとえば、
  都会と地方。
  大型店と個人店。
  コンビニコーヒーと喫茶店のコーヒー。
  電子書籍と紙の本。 

 どちらにもプラスの面とマイナスの面があって、プラスと感じるかどうか、マイナスをどのくらいダメージに感じるかどうか、プラスとマイナスのどちらが大きいか、などは人それぞれだ。同じ人でも、時と場合によることもあるだろう。 


 自分と異なる選択をした人を否定するときは、自分の選択に不安があるときだと思う。自分のしなかった選択を否定することで、自分の選択を肯定したいときだ。
 けれど、人の選択を否定しても、自分の選択の裏付けにはならないし、否定された人も嫌な気持ちになるし、誰も幸せにならない。

 どちらか一方を否定しなければ成り立たない選択なんて、はなからしなければいい。
 人がどうであれ、「自分が」いいと思ったものを選んでいきたい。誰もがそうできる社会であってほしいと思う。
 やっぱり違ったなぁ、となったらもう一方を選び直すことだってできるのだ。

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2月11日(土)~28日(火) 
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