見えない仕事
 
先日、NHKの「プロフェッショナル仕事の流儀」で校正者・大西寿男さんの回を観た。


 勉強不足で大西さんのことはこれまで存じ上げなかったが、その仕事ぶりに圧倒された。
 誤植探しだけが校正者の仕事ではないことは知っていたつもりだったけれど、そこまでやるのか!と驚く細やかな仕事だった。
  校正で文字や内容の正誤を追っていると物語の内容は入ってこなくなりそうなのに、大西さんはこの登場人物ならそう言う言葉を使うだろうか、この言い回しは必要だろうか、といった指摘もされていた。
 書き手とも読者とも異なる視点は、書き手にとっても助けになるだろうと思ったし、この人だからお願いしたい、と思われる仕事だと思った。
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仕事への敬意
 プロフェッショナル、と言われる人たちの仕事に対する姿勢を見るのが好きだ。どんな仕事であれ、そこに矜持をもってたずさわるひとの姿はうつくしい。
 憧れとともに、そういう仕事ができるようになりたいと心から思う。
 
 あたりまえのこと、地味なことの積み重ねをいかに大切に、あたりまえに、実直にできるかということは、それが誰にでもできそうなことであればあるほど難しいようにも思う。
 同時に、そういった積み重ねと経験から生み出される仕事を、成果物だけで評価してはいけないし、適正な金額の提示や、評価が必要だと感じた。
 簡単に見えるものが簡単とは限らない。今簡単にできているとしてもそれまでの積み重ねがあって初めてそうできていることもある。
 それは、誰にでもできるようで、その人にしかできないことも多い。 
 
 目に見える、見えない、目立つ、目立たない。それにかかわらず、どんな仕事であっても、仕事としてプロ意識を持って携わっている仕事に敬意を払いたい。
 見えないことが、なくていいということにつながることもない。

 本に関わることだけでも、読者に見えない仕事はまだまだたくさんあるし、書店員のわたしでも見えていない仕事はたくさんある。
 こういった裏方、黒子の仕事が取り上げられるのはとてもいい。もっと知りたいし、多くの人に知ってほしいと思う。

 最近では校正者さんや製本者さんなどが本を出されていて、それを通してその仕事を知ったり、伝えたりしていけるのがうれしい。 
 これからも読者に近い場所である本屋を通して、本づくりにたずさわるプロフェッショナルたちの仕事をお伝えしていきたい。 

 

 



 
 

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