本の仕入れのこと。
こりおり文庫では、毎月少しずつですが本の仕入れをしています。
取次という本の問屋さんからの仕入れのほか、出版社から直接仕入れをしたり、今治市内の書店さん経由で仕入れをしたりしています。
売れてまた置きたい本もいれたい、新しく出たあの本もお客さまに見ていただきたい、でも今月発注できる金額はあとこれだけ…と毎回悩みながら発注をしています。
まだまだお客さまの来店状況や売れ行きが読めないので、「売れるかな、どうかな」とおそるおそる仕入れた本が瞬殺で売れていき、うれしいけれど、在庫を切らしてしまって追加の発注をする、なんてことも。
もちろん逆に、これはうちでは内容が重たかったかな、発注数が多すぎたかな、という反省も尽きません。
そんな時は、2週間分の在庫を持て!と教えられた大型書店時代が懐かしくもなります。
(2週間あれば、発注して取次に在庫がなく出版社からの取り寄せになっても、北海道の書店まで十分届くので、その間売り場がもつ=在庫を切らして売り逃すことがない)
委託だからできることだったなぁと思いつつ、今は毎日発注、毎日入荷が難しい状況(最低発注ロットや送料の問題があるため)だからこそ、次の入荷までをどうもたせるか、は課題だなと思っています。
話題書や売れ筋の本はなくてもいい?
先日、大手取次にいらしたという方がお越しくださり、「ベストセラーなんかも入れているんですか」と聞かれました。ベストセラーだから、という理由では置いていません。いわゆる売れ筋、話題書、みたいなものはほとんど置いていないかもしれません。
最初の頃は、テレビで紹介されたり、話題になっていたり、ほかの書店で積んであるような本について、「置いていないのか」とお客さまに聞かれたらどうしようと思っていました。とくに大手の出版社のものだと、オープン当初の仕入れルートだけでは取り寄せすら難しいこともありました。
大型でも中型でも「町の書店」という店にいた時は、そういう本がないことは売上も取り逃がし、お客様の信頼も失うので、あってはならないこと、という意識がありました。
こりおり舎を始めて、そういう本はあるところで買う人が多く、こりおり舎にそこは求められていないのだな、と気づきました。
時折、島の常連さんから「昨日テレビでやっていた…」とか、「最近新しく本が出たようで…」と取り寄せを依頼されることもあり、それはその本が置いていなくても「どこでも買えるけれどこりおり舎で買いたい」と思ってくださって待ってくださるので、島唯一の本屋の役割を果たせているようで、嬉しく思っています。
こりおり舎にある本は大型店やチェーンの店にもたいていありますが、並べ方や見せ方で、お客さまの目に入る本や手にとりたくなる本を増やして行けたらいいなと思っています。
新刊についても、新刊が新しいという理由で売れる店ではないので、
「本は出会った時がいつでも新刊」を胸に発売から時間が経った本を仕入れることもあります。
本はその人が初めて目にした時が新刊。
内容が古びて役に立たなくなっていく本もありますが、そうでない本もたくさんあって、そういう本、いつの時代でも読み継がれるような本を大切に置いていきたいなと思っています。
そういう意味では、新しい本も「今、売れる」という本ではなくて、10年先も売っていきたい本を扱っています。(いまだからこそ読んで欲しい本、というものはもちろんありますが)
世界をより新鮮に感じ、日々をより深く生きるための「羅針盤」を探す、清澄な言葉で紡がれた28のエッセイ。
— ちぢき📖こりおり/島の本屋と珈琲焙煎所と宿 (@coriolisbooks) April 8, 2022
梨木香歩さんは小説も好きだけれど、エッセイがしみじみすき。
不思議な羅針盤 https://t.co/E7ZykgYGL2#こりおり舎 #本と珈琲 #愛媛 #今治 #しまなみ海道 #しまなみ大島 #梨木香歩
最近では八木書店さんから仕入れるバーゲンブックが、最新ではなくてもいい本を掘り出してお届けする、という新たな楽しみを与えてくれています。
Twitterで紹介してすぐ買っていただけることもあり、とても嬉しいです。
小さな出版社や個人で本を作られている方から、出版のご案内をいただくことも。
チェーンの店にいたときは山ほど新刊や既刊の案内が届いていましたが、個人店になるとそれはなく、メールや郵送で案内をまれにいただきます。
本に込めた思いが綴られていると、これまた仕入れたくなるので悩ましいのですが、発売前の本の情報が得られるのも本屋で働く醍醐味かもしれません。
「広島本屋通り」に出店します!
開催日程:2022年5月1日(日) 10時〜17時
中四国31書店が一堂に会する大イベントです!
一度行ってみたかった、お会いしてみたかった書店さんもたくさん。とても楽しみです。
こりおり舎の雰囲気や島の空気を感じていただけるように本はもちろん、いろいろなアイテムをお持ちする予定ですので、どうぞお楽しみに!
宿舎こりおり 予約受付中!
現在ご予約いただけるのは、~4月25日の期間です。
GWを含む5月の予約は4月上旬にご案内予定です。
ご予約や設備についてなど、詳細はコチラをご確認ください。




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