店と家は別?? 

 
お客さまにときどき聞かれるのが、店の奥に住居スペースがあって暮らしているのか、ということ。
 
 答えはNO
 
 店には暮らしていません。 
 島の中にもう1軒家を借りてそちらで暮らし、店には営業に合わせて通っています。
 面倒じゃない?2軒管理するの大変じゃない?とよく聞かれます。

 答えはYES!

 正直言って、面倒です。
 島の中とはいえ、徒歩圏内ではなく車で5分くらいかかるので、ちょっと忘れ物をしたり、洗濯物を干してきた日に雨が降ったり、というときにパッと行くというのができず、微妙に手間です。夜間に在庫の問い合わせを受けても確認ができない、なんてことも。
 草刈りや庭木の管理、集落の清掃作業なども二重で関わってきます。 
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 それでも、店と家を分けてよかった!と思っています。
 今回は田舎でお店をやりたい人にも役に立つかもしれない、田舎の店と家事情について書いてみます。
 

店と家を分けたわけ


 開業準備で物件探しをしていた段階では、店と家を一緒にするつもりでした。
 理由は簡単、お金がないから
 借りるにしても買うにしても、2軒を持つ余裕はないし、修繕が必要なことが前提の島の空き家事情を考えると、安く借りられたとしても2軒を改修するのは大変だ、と考えていたからです。
 そのため、当初は店と家を兼ねられる、大きめの物件を探していました。

 現在こりおり舎の店舗にしている物件に出会ったときも、部屋数が多いので店舗スペースと住居スペースを一軒で分けようと考えていました。住居スペースになるはずだった部分は、宿舎こりおりとして、ゲストハウスエリアになりました。
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 十分なスペースがありながら住居を別で持つことにしたのは、大きく分けてふたつの理由があります。
 
 ひとつは、飲食店として保健所の許可を取得するのに、
 住居と店舗のトイレを分ける必要があったから。

 広く部屋数があるとはいえ、もともと一般家庭だった物件なので、トイレはひとつしかありません。
(実は屋外から入れる和式トイレがもうひとつありますが)
 飲食店の営業許可をとるには、感染症対策などの兼ね合いで、従業員が住居として使っているトイレとお客さま用のトイレを別で用意する必要があります。
 トイレを増設するにはかなり費用がかかります。
 
 ちょうど「住むのにいい物件があるよ」と安く貸していただける物件をご紹介いただいたこともあり、住居スペースは別の家に。
(トイレ増設する費用で数年家を借りられる金額になるので、その数年のうちに考えることにしました)
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店と家を分けるといいわけ

 
 ふたつめは、営業日と休業日を分けたかったから。
 これは、しまなみで既にお店の運営をしている先輩たちからいただいたアドバイスでした。
 物件探しや開店準備をしていた頃、相談した方々から、
「店と家は分けた方がいいよ!」と口々に言われました。

 そのわけは、プライベートがなくなるから。
 島に暮らしていると店をやっていなくてもプライベートはあまりなくなりますが、店をやっているとどの傾向はより強くなります。
 
 営業日でない日には、同じ建物でも店ではなく「住居としての家」として店の人は過ごします
 けれど、通りがかる人からは、洗濯物を干したり、庭仕事をしたり、休日を過ごしていてもお店の人」として見られます。
 車が停まっていたり、明かりがついていたりすれば、休日を家で過ごしているとしても、「店に店員がいる」と見られます。
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 それだけならまだしも(それだけでもわたしは抵抗がありますが)、休業日にも関わらず中に入ろうとしたり、買い物をしたいと言われたりすることもあるそうです。
 こりおり舎でも、住居スペースを分けているとはいえ、仕込みや作業で休業日に店舗にいたり、開店準備で営業前にいたりすると 同じことが起こるので、気持ちはわかります。
 完全なプライベート確保は難しいものの、祝日だけど営業日ではない日などは住居の方の家にいる、ということができるのも、ふたつに分けたことによるメリット。 
 
 オンオフの切り替えができるというのもメリットです。 自営業で店をやっていると仕事とプライベートが曖昧になりがち。仕事は店で、家ではのんびり、ができるのも2軒持ちのいいところです。

 とはいえ、少し距離があり、店と家のある集落が違うことで二か所の集落行事に参加しなければいけないといった負担感もあるので、できたらもう少し店の近くに家を借りられないかな…と考えています。 
 

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