本屋の本の並べ方のこと、引き続き書いていきます!
前々回は基礎〜こりおりの場合のこと、前回は函館蔦屋書店の場合とこりおり舎の場合を書きました。
今回はオープンしてからのことを書いていきます。
「本屋の棚は生き物だ!」と言われたと前回の最後に書きました。
それは、函館蔦屋書店に勤務していたときに、ベテラン書店員さん(TSUTAYA以外の書店を経験された方) に言われた言葉です。
最初はまったく意味がわかりませんでした。けれど、オープンにむけて作った売り場が完成ではないんだよ、 とも言われていて、お客さんが来たり、新しい入荷があったりする中で、それがだんだんわかってきたように思います。(最初は完成!と思った売り場からどの本もなくならないで!ってくらい、売れて欲しいのに売りたくない、みたいな感じでした。ほんとダメな発想ですが…)
たとえば、棚に並べるときは本の背が棚の端に揃うようにする、詰め込みすぎず指が1本入るくらいにする(取り出しやすい、取り出すときに傷みにくい)。積み重ねるときは、5冊ずつ向きを組み替える(フラットになって崩れにくい、照明の光が真っ直ぐ当たって綺麗に見える)。などなど。。
とはいえ、それは書店のルールなので、お客さんには関係ありません。お客さんが本を取り出す、パラパラめくる、戻す、もしくはレジに持っていく。そうすると、きっちり並んでいた棚に隙間ができたり、順番が入れ替わったり、帯やスリップがずれたりします。
通常の書店ではほぼ毎日入荷があるので、新しい本を棚に入れます。入る隙の棚からは、古かったり売れ行きが悪かったりする本を抜きます(これが難しい…この話もまたしたい)。そうすると、棚の中身が入れ替わります。 お客さんが買った本をまた仕入れることもあり、同じ本が同じ棚に戻ってくることもあります。棚にある本はいつも同じではなく、常に入れ替わったり、並び替わったり、しているのです(全く動かない棚もありますが…)。
これが「生き物」と言われる所以ですね。
よく動く(お客さんが手にとったり、買ったりする)棚は、どんどん動き(=育ち)ます。売れたかどうか以外にも、棚のメンテナンスをするときに
「よく乱れている棚」=「よく手に取られている」=「お客さんの気になる本がある棚(でも売れないのは惜しい本しかない?)」
という感じで内容を濃くしたり、広げたりすることもあります。
しょっちゅう売れて補充して、を繰り返す本は平積み(棚に1冊では効率が悪いので平台に積む)になったり、コーナーを組んだりするわけで、もちろんおすすめな本や売りたい本を目につくように配置したりもしますが、本屋の棚はほぼほぼお客さんが育てているわけです。
こりおり舎では、古本もほぼお客さんからの持ち込みなので、入荷もお客さんが支えてくれています。私はそれをどうにかして並べるだけ。
個人の書店、それも古本屋の場合、大型書店のようにオールジャンル、というわけにはいきません。
棚に入る冊数が決まっていたときに比べ、 棚はいっぱいだけどこの辺に置いちゃおーとか、ここに棚を増やそう、とかができてしまう今は、置けないから置かない、というのは少ないのですが、それでもお客さんがよく見る、手に取る、買う、ジャンルとそうでないジャンルが見えてきたので、オープン以来少しずつやっていた入れ替えも、本腰入れて大きな入れ替えを進めています。
個人の書店、それも古本屋の場合、大型書店のようにオールジャンル、というわけにはいきません。
棚に入る冊数が決まっていたときに比べ、 棚はいっぱいだけどこの辺に置いちゃおーとか、ここに棚を増やそう、とかができてしまう今は、置けないから置かない、というのは少ないのですが、それでもお客さんがよく見る、手に取る、買う、ジャンルとそうでないジャンルが見えてきたので、オープン以来少しずつやっていた入れ替えも、本腰入れて大きな入れ替えを進めています。
この本欲しい!と思って探しにくるタイプの書店ではないからこそ、こりおり舎ならではの本との出会いをお届けできたらいいな、と思っています。
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