先日、松山でコーヒートークのイベントに参加させていただきました。


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持ち時間20分間で自己紹介、お店の紹介を含めてお話をさせていただいたのですが、


その時のお話を少し。


お店という形で活動を始めて約2年。


ここまでの私たちを振り返ってみるとても良い機会にもなりました。


持ち時間の後半部分では、島で珈琲屋を営むにあたって、


私たちが大切にしたい軸についてお話をさせていただきました。 


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これは創業して間もないくらいの頃にノートに書いたものです。


とても拙い字で申し訳ないのですが。。


このノートの話を外部にしたのは今回が初めてでした。


特に島で事業を行うにあたり、お客様に直接関係してくる


2つ目の【焼きたて、挽きたて、淹れたての珈琲を提供する、素晴らしさを伝える。】と、


3つ目の【珈琲は身近なものである(敷居は高くない)。日常に寄り添う珈琲を。 】について、


お話をしました。


まず2つ目の 【焼きたて、挽きたて、淹れたての珈琲を提供する、素晴らしさを伝える。】について。


今でこそコンビニでも100円で挽きたて、淹れたての珈琲が飲めるようになったりと、


新鮮な珈琲が身近に楽しめるようになりました。


喫茶店やカフェなどにおいても、ある程度の量を纏めて抽出して保温しているよりも、


注文毎に抽出して珈琲を提供するお店が増えてきたように思います。


「焼きたて」という点においては、特に自家焙煎しているお店ではマスト、当然という


認識が高まってきているように感じています。


そういう意味では、「焼きたて、挽きたて、淹れたて」という要素は、


珈琲屋としては今では前提条件という風に考えても良いかもしれません。


ただ、都会やある程度の規模の地方都市ではそうであっても、


私たちが住んでいるような島など、まだまだ追いついていない地域もあります。


お店で飲む珈琲もそうですが、ご家庭でも鮮度の良い珈琲を楽しんでほしい。


工場で作られた製品ももちろん一定の品質が保たれていますが、


私たちが生産地などの作り手の顔を大切にしたいと考えているように、


お店に来られる方にも作り手、焼き手の顔が分かる商品を可能な限り提供したい、


そういった想いがあり、ノートに綴ったと記憶しています。


3つ目の【珈琲は身近なものである(敷居は高くない)。日常に寄り添う珈琲を。 】について。


これは店主の主観が大いに影響している部分があります。


珈琲は日常に欠かせない飲み物です。


珈琲好きにとっては、珈琲という存在はもはや「飲み物」というカテゴリーでもないかもしれません。


珈琲は突き詰めていけばいくほど、奥の深い、終わりのない世界です。


私自身も日々勉強なわけですが、どんどん奥深く潜っていくほど、


普段珈琲を何気なく楽しんでいる方たちとのギャップを認識するようになってきます。


少し前から「サードウェーブ」というワードが珈琲業界ではよく使われるようになっています。


「サードウェーブ」とは。。


GEORGIAさんのホームページから抜粋します。


新しいビジネスとカルチャーがひとつになって確立している時代。
コーヒーの生産地への配慮や価値などが注目されるようになり、コーヒーがカップに運ばれるまでのトレーサビリティ、豆の素材や淹れ方など、各々の工程にこだわるスペシャルティコーヒーが注目されています。 


今まで私たちの口に届くまで、珈琲はどのような過程を経てきているのか、


特に焙煎という工程以前までの過程はあまり知る機会はありませんでした。


サードウェーブ珈琲は生産地での栽培環境や品種、生産者など、


どこで誰がどのように関わっているのかの情報を得ることを容易にしました。


今までは「ブラジル」や「グアテマラ」など、生産国までの表示での販売が多かったのが、


州や県、集落、農園単位での生産情報を知ることができるようになっていますし、


そこまでしっかりと表記しているお店も増えてきています。


また、焙煎も浅煎り〜中煎りで、珈琲豆の産地や精選方法特有のフレーバーや、


ポテンシャルを引き出すことにメインを置いているのが特徴です。


ただ、どうしてもそのフレーバーの表現などに重きを置いているため、


普段飲みには正直どうだろうか、というのが上で先に述べた私の主観の部分です。


珈琲の飲み方は人それぞれです。


ブラック、砂糖を加える、ミルクを加える・・・


ご自宅でもミルクを加えてカフェオレにして楽しんでいる方もいらっしゃると思います。


サードウェーブ珈琲は人の繊細な感覚と技術があっての抽出であのフレーバーが実現されます。


そういった意味ではご家庭での味の再現性は現状ではまだ課題があり、


上記のような飲み方の多様性とサードウェーブ珈琲というのは、


現段階ではまだまだ相性に改善の余地があるというのが店主の考えです。


ちょうど先日大阪でたまたま開催されていた珈琲イベントに行ってきました。


全国から20店舗近くの珈琲屋さんが出店されていて、


ほとんどのお店では浅煎り〜中煎りの珈琲がメインでした。


会場を回ってて気づいたのですが、


実際ほとんどのお店のブースにはミルクや砂糖の用意が見当たりませんでした。


決してそれが良いとか悪いとかではなく、合うか合わないか、ということだと思います。


もちろん、生産者の方や生産地、精選過程の情報を積極的に発信し、


お客様に知っていただく、興味を持っていただくということは私たちも大切にしたいので、


そういったことはとても参考にしています。


店主の主観と何度も述べています(店主が違えばお店も人それぞれ)が、


島で珈琲屋を営む中で、 【珈琲は身近なものである(敷居は高くない)。日常に寄り添う珈琲を。 】を実現するために、


そういったことをいろいろと考え、選択しながら、お店を設計していきたいです。


と、いうようなお話を登壇してさせていただきました。 


これらのことを、今後何かを決める、判断する際の基準にすることで、


事業の軸がぶれない運営が実現できると考えています。


当日の動画もアップされていますので、よろしければぜひご覧いただけますと嬉しいです。