先日、松山でのイベントついでに久しぶりにジュンク堂に立ち寄った。
夫が「久しぶりに島什器も180の棚の店に行きたい」と言い出したからだ。
(壁面だけでなく中ほどにある棚も1m80ある大型書店)
 本屋に行けば欲しくなってしまうよ、と言った通り、ふたりで計6000円余りの本を買った。
これでも見れば見るほど欲しくなりそうで、ほどほどでやめたのだけど、その日のイベントで売れた本が3000円弱だったことを思うと、十分買いすぎていると言える。
(コーヒーメインで最近ブックカフェを押し出し始めたばかりの私たちとしては売った方)
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(写真は私が買った3冊)

 しかし、久しぶりに行った大型書店(つい先日梅田蔦屋に行ったけどあれはノーカウント)は刺激的でとても楽しかった。最近出たはやりの本に触れることも、欲しかった本が探せばあることも、島や今治の書店では難しい。
 最近はセレクトされたコンパクトな本屋に好んで行っていたが、何でもそろう大型店は大型店なりの良さがあると思う。
 なにより、自分より背の高い棚にずらーーっと本が並んでいるさまは圧巻で、本に囲まれているという満足感がある。本棚に囲まれた家に住みたいとか図書館に住みたいとか思ったことのある人は共感してくれるハズ。泊まれる本屋作りたいなぁ。
 絶対量が多いので、欲しかった本も見つかり、知らない本とも巡り合え、最近売れている本も分かりやすい。ここならあるという安心感もある。

 そして、本屋の思想を読み解こう、という意識なく、秩序立てて並んだ棚から欲しいものを探し出せる気楽さに気付いた。コンセプチュアルな書店に行くと、無意識でも意識的にでも、棚のつくりや店のつくりに店の思想を見ようとしていたのだろう。本屋を作ろうと思ってからはより一層のこと。


 食材を買いに行くのにデパ地下がいい人と輸入食料品店がいい人とチェーンのスーパーがいい人と個人商店周りたい人とコンビニでいい人がいるように、いつもはチェーンのスーパーだけどたまにはデパ地下に行きたい人がいるように、本を買ったり読んだりする場も、コンビニがあって、アマゾンがあって、大型書店があって、町の本屋さんがあって、セレクトストアがあって、図書館だって、いいんだと思う。

 そういう場や選択肢がたくさんある町だったらいい。
 買って読むのでも借りて読むのでも立ち読みでもいいと思う。本に触れる人、それを楽しむ人を増やしたい。夫がコーヒー業界全体のファンを増やしたいというのと、きっと同じ話。そういう文化や風土のある町で、本屋をやれたらいい。そういう町をつくりたい。
 ちょっとずつ、本と珈琲が生活の一部で欠かせないひとが増えて行ったらいいと思う。